噂のガール・長谷川さん
いつの世も男子の心を掴んで離さないもの
それは何であろう?
そう女子である
赤ちゃんからお年寄りまでほとんどの男子は女子のことしか考えていない(勿論、そういう意味でメンズのことを考えている男子もいるであろうが)
特に男子高校生はその傾向が顕著である。
彼らの頭の中の85パーセントは女子のことで占められている。
(残りの8パーセントは自分の髪型のことであり、残りの5パーセントは来週のジャンプのことあり、残りの2パーセントがその他人生についての諸々である)
先日、駅のエスカレーターを下っていると前にした男子高校生二人の会話が耳に入ってきた。
どうやら彼らと同じクラスの長谷川さんなる女子について話しているらしい
そうしてどうやら彼らの内の一人は長谷川さんに好意を寄せているらしい
そしてもう一人の彼は長谷川さんのことが嫌いらしい
長谷川さんに好意を寄せている男子を仮にAくん
長谷川さんを嫌っている彼を仮にBくんとしよう。
二人の話をまとめると以下のようになる
・Aくんは長谷川さんに好意を寄せているらしい(Bくん談)
・Bくんは長谷川さんのことが嫌いらしい
・長谷川さんはAくんとBくんと同じクラスらしい
・長谷川さんは黒髪でロングらしい
・長谷川さんは突然歌いだすことがあるらしい
・長谷川さんはクラスでよく大きな声で話しているらしい
・長谷川さんはテスト勉強をしていなかったらしい(Bくん談)
・長谷川さんとBくんは席が近いらしい
・Bくん曰く長谷川さんはデブでブスらしい
乗っていたエレベーターが異様に長かったせいで、長谷川さんについての情報がやたらと耳に入ってきた
二人の会話が気になってしまった僕は自然を装い二人の近くにずっといたのだが少なくとも二人は長谷川さんについて15分くらいは話していた
いや、それは正確ではない。
厳密に言えば、僕が聞いた長谷川さんの情報はほとんどがBくんからもたらされたものだった。長谷川さんが好きだというAくんはBくんの話に対し相槌を打つ程度であった。
Bくんからもたらされる長谷川さんについての情報量は半端ではい。
よくも一人の女子についてそこまで語れるかというほど、色々なことについて話していた。
曰く、長谷川さんのこれこれの仕草が嫌いだの、髪型がおかしいだの、◯◯というアーティストを好きなことが許せないだの、声がうるさすぎるだの、ここが嫌いだあれが嫌いだ、ろくな女ではないと、とにかくありとあらゆる情報を豊富すぎる語彙とマシンガントークをもって語っていた。
待て、Bくんよ。いくらなんでも長谷川さんのことを嫌いすぎてはいやしないか?
というか席が近いとはいえ、普段どれだけ長谷川さんのことを観察しているんだ?
もはや勉強そっちのけで長谷川さんのことしか見ていないんじゃないかという勢いである
長谷川さんが好きだというAくんはBくんの話に対し「うん」とか「そんな事はないんじゃないかな」とか言ってるだけである。
いきなり歌いだして、常にテンションが高いってディ◯ニープリンセスみたいな女の子だな。
確かにそれはいつも一緒にいると少々疲れるかもしれない。
というか、Bくん絶対長谷川くんのこと好きではないのか?
Aくんの為に色々アドバイスしているようだが恋のライバルを減らそうとしているだけではないのか?
なにその展開、燃える、いや萌える。
嫌いすぎていて好きとしか思えない。
その後、その駅がBくんの乗り換えの駅だったらしく二人は別れた。
好きだとしても嫌いだとしても一人の女子についてあそこまで語れるとは。。。
女子はいつだった男子のハートを掴んで離さないのだ。
ちなみに二人の会話をもとに長谷川さんの想像図を書いてみた。
(ブスでデブという部分はBくんの主観であるし、照れ隠しとしか思えなかったのであえて無視した)